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債権額とのバランス

弁護士はまず内容証明郵便による督促状を送付することで、いわば相手に対して正式な宣戦布告を行います。債務者としては弁護士事務所から届く督促状は、債権者個人から送付される督促状よりも重みがあり、いよいよ法的な手段も辞さない覚悟で債権の回収に乗り出してきたということを実感せざるを得ません。これだけでも返済に動くケースは少なくありません。

また、弁護士は強制執行に備えて、債務者の財産を十分に把握できるよう調査することもあります。そしてできる限り債務者の財産を担保してとり、連帯保証人を付けるなどして債権回収の失敗の可能性をできる限り下げるように努力します。こうした手配は、債務者が多重債務を負っている場合に特に有効で、他の債権者に先立って依頼者が債権を回収できるように役立つものとなります。

弁護士は内容証明による督促状を無視したり、債権そのものを否定したりしてきた場合には裁判による解決に乗り出します。その際に債務者が勝手に財産を処分するようなことがないように民事保全手続きを取ります。こうした弁護士の手続きにはそれぞれ費用が発生しますので、解決はしたけどかえって支出が多かったということを避けるため、債権額と弁護士費用のバランスをしっかり考えて利用しましょう。

費用は安くはない

弁護士に債権回収を依頼する場合、着手金と成功報酬という大きく分けて2種類の費用を支払う必要があります。着手金というのは、債権回収のために行う行動に対する対価です。例えば、内容証明による督促状の送付などの法的な手続きです。

内容証明による督促状の送付くらいであれば弁護士ではなくても行うことは簡単かもしれませんが、より問題が複雑になってくると専門的な知識がないとうまく手続きが行えないこともあり得ます。また、一見すると便利に思えるような制度でも、結局は利用しにくいことやかえって自分にとって損失となることを招くようなものもあり、そうした段階では弁護士による介入が不可欠となるでしょう。

成功報酬については、債権を回収できた中から数パーセントを支払うことが普通です。しかし、政権の回収は実際にお金を返してもらう以前の、回収を約束させたという事実で成立してしまうこともあり、まだ1円も返済されていないうちから成功報酬を請求されることもあります。こうした点を事前に確認していないと新たなトラブルになってしまいますので、事前によく確認し、納得しておくことが必要といえるでしょう。特に弁護士の使う言葉の意味の定義をよく確認しておきましょう。

自分では大変な債権回収

貸したお金を回収するのは意外に難しい場合があります。貸した側が悪質な場合は、話し合いの度に都合のいい口約束で返済計画を提示しておきながら、全く履行しないという場合もあるでしょう。相手が友人の場合には当事者間の話し合いで何とか解決したいと特に思うかもしれません。しかし、そうした債権者の側の優しさがかえって問題を大きくしてしまったり、結局は貸したまま返済されずに損失を被ったりするということにもなりかねません。

当事者間で解決を目指す場合でもやり方によっては裁判まで持ち込むことはできますが、裁判に有効な証拠を積み重ねておくという意味で、素人の交渉では詰めが甘くなってしまう可能性があります。そこで、万が一裁判にまで発展したときのために、あるいは問題を早期に解決したい場合に、弁護士に債権回収を依頼するのはよい方法です。

債権回収に適した弁護士は、債権回収を得意分野として挙げているか、豊富な経験を持っておりそれを提供しているか、説明が分かりやすいかなどさまざまな部分で判断することができます。また、面談を行う際にもよく話を聞き、事情を正確に把握しようと努めるか、客観的な証拠を重視する姿勢がみられるかなどに注目すると信頼できる弁護士かどうかを判断しやすいでしょう。そして弁護士を選ぶ際に忘れてはいけないのが弁護費用がいくらかということです。弁護費用が予想より高額になってしまうと、仮に債権回収が成功したとしても多くが弁護士費用に消えてしまうということにもなりかねないのです。